人間がこれまで進化してきた条件、環境というのは現在とは全く違うものです。
その全く違うものに適応した体と、現代の食事や生活習慣、環境がミスマッチを起こしているので、様々な病気が発生していると言われています。
人類とチンパンジーが分岐したのが、およそ600~700万年前。
400万年前ごろまでは主に手に入る果実などが中心の食事であり、チンパンジーは現在もそのような食べ物を一日の起きている時間の半分を使って、ずっと噛んで食べているのです。
果実といっても今の柔らかくて甘いものではなく、食物繊維の多い、甘さもほとんどなく、実も非常に小さなものです。
しかし、気候変動で食べるものが少なくなってきたのか、長距離を歩いて他の食べ物を探すようになったようです。それまでは普通では食べないものも食べるようになりました。植物の葉っぱや茎や種、根茎などで、根っこは特にでんぷん質なので糖質とエネルギーが多いのです。しかしどれも食物繊維がいっぱいで硬い。
そして、現生人類と非常によく似た動物が初めて姿を現したのが250万年前。
このころにはすでに肉を食べていた証拠があります。ただその頃は、まったく他の動物とは大差のない動物であり、その頃の脳の大きさは現生人類の半分ほどでした。それでも体重から考えると非常に大きな脳を持っていました。脳が大きいということは良いことばかりではありません。燃費が悪いのでエネルギーをかなり必要とします。脳は絶え間なくエネルギーが必要です。その脳の成長、進化を支えてきたのがエネルギーの安定供給源である脂肪であり、そこからできるケトン体が脳のエネルギーとして使えるように進化したと考えられています。
人類の母親は子供に与える分までエネルギーが必要です。
脳のエネルギーは1分でも途切れさせることはできません。
食料の確保が非常に不安定な時にこのエネルギーの問題を解決する方法が脂肪の蓄積なんです。
人類は他の動物よりも脂肪を蓄積できるように進化しました。
どんな痩せている人でも、他の野生の霊長類よりも脂肪が多いのです。
しかも、人間の赤ちゃんは脂肪たっぷりで生まれてきます。
それは脳が大量のエネルギーを必要とするので、その脳に常にエネルギーを供給するためだと考えられています。
乳児の脳は安静時のエネルギーの実に60%程度を消費するそうです。
ちなみにサルの赤ちゃんの体脂肪は3%程度、人間の赤ちゃんの体脂肪は15%程度です。
そして幼児期には人間の子供の体脂肪は25%にまで上昇します。
これも成長時に脳が多くのエネルギーを要求するのに対応するためでしょう。
つまり、人類にとって脂肪を蓄えることは、生き残るために必要なことだったのです。
100万年前であっても、人類は非常に強い動物ではなく、もっと強い動物のエサになるような存在でした。大きな脳で武器は作れるようになっていましたが、食べ物は、植物や果実を集めて、昆虫や小さな動物を捕まえて、食べていたことと、他の動物が残した死肉を食べていたぐらいでしょう。そして道具を使って骨を割って骨髄を食べていたとも言われています。
40万年前ごろから大きな動物を狩ることができるようになり、そのころから火を使って調理ができるようになり、腸が短くなったと言われています。
消化も非常にエネルギーを使うので腸が短くなったことで、そのエネルギーを脳に回しやすくなりました。
そして、火を通すことにより、より多くのエネルギーを取り入れることが可能になりました。
ただ、それにしても長い時間歩いたり、みんなで協力し合って必死に食料を調達しないとならない状況だったと思います。
しかし、余分な食料はなかったかもしれませんが、その頃の狩猟採集民は深刻な飢餓や栄養不良はなかったとされています。
それが1万~1万2000年前ぐらいに農業革命がおこり、農耕が始まり、そこから悲劇が始まり、栄養不良や深刻な飢餓、様々な病気が起こるようになったのです。
数百万年の進化と適応を続けた人類はつい最近になってやっと農耕を始めたのです。
そして、体は小さくなりました。現在ではだんだん大きくなって狩猟採集民族よりも大きくなったとされていますが、それほど農業で得られた食材の栄養価は低くなったということですし、肉の比率が下がったことが大きく影響している可能性は大きいでしょう。
そして、200年前に起きた産業革命以降、加工などの技術が発展し、人工的なものがどんどん発明され、食品に添加されるようになりました。
また、ある栄養素を単品で取り出したり、それを工業的に作り出すことが可能になりました。
ここで、狩猟採集民族が食べていたもの、そして適応してきたものをもう一度まとめましょう。
人類は大半(数百万年の間)果実や植物、肉、動物の臓器、魚などを中心に食べてきました。
果実や植物には食物繊維が非常に多い状態でした。
その中で、脳のエネルギーを確保し、食材を集めるのに長距離を移動する運動のエネルギーを得なければなりません。
さらに、母親は子供にエネルギーを与えなければなりません。
そして、さらに現代のようにスーパーがあるわけではないので、予備のエネルギーを常に蓄える必要があります。
それが脂肪です。
つまり、いつでも脂肪を蓄えることが当たり前に行われる体なのです。
ほとんど糖質を摂っていない状況でもです。
わずかに得られた糖質はインスリンにより脂肪に変換され、脂肪となって蓄えられます。
糖質量はわずかだったので血糖値が急上昇することはありません。
その頃のインスリンの役割は今のような血糖値を下げることではなく、脂肪を蓄積することだったのです。
だから、今もインスリンの最も大事な役割は脂肪蓄積なんです。
もう一つ重要なことは、そこには単品の栄養素なんてなかったのです。
工業製品のサプリなんてなかったのです。
肉として、植物として、種々多様な栄養素が混合して含まれているものを食べて、それに適応してきています。
様々な栄養素が少しずつ体に入ってきて、それを処理したり、代謝したり、蓄えたりして体を作ってきました。
それが現代では○○という栄養素が体にいいからと言っては単品で○○というものを摂取しています。
肉や植物などに含まれる濃度の何百倍もあるかもしれない大量の栄養素を一気に体に入れても、対応できるような体にはなっていません。また、人工的なものにも適応していません。
漢方に興味がある方は知っていると思いますが、漢方薬は様々な生薬を組み合わせます。
そして、その生薬の大半は植物です。
また、生薬に含まれる成分は西洋薬のような単品の成分ではなく、とてつもない数の成分が含まれています。
それが少しずつではあっても一緒になることで、一つ一つの成分では考えられないような薬効が生まれます。
それと同じで、食材に含まれる栄養素は単品の栄養素では想像できないような効果を体にもたらすはずです。
そのような食事をずっと食べてきた人類はそのような複合した栄養素に適応しているのですから。
以上より、糖質制限を行う理由は人類本来の食事をすることで、人類が適応してきた生物学的な体の自然な反応や代謝を促進し、体のバランスを整え、病気や肥満などの無駄な代謝を防止するためです。
その食事は肉や魚と食物繊維を含んだ果実や野菜などです。
食の多様性も重要です。
もちろん私たちの暮らす現代において、加工食品や食品添加物をすべて排除することは無理がありますし、その恩恵もあります。だから現代風にアレンジをすることは問題がありません。
さらに社会生活があるので、それに支障がないような状況での食事が大切にはなると思います。
しかし、できる限り狩猟採集民の食事を意識することは大事なことです。
サプリを使った時点で、糖質制限の意味は無くなります。
もともとの意味を考えると当たり前ですよね。
サプリなどの工業製品は人類本来の食事ではないからです。
もちろん、狩猟採集民が食べていたものよりも現代の方が栄養価が低くなっているかもしれません。(実際はわからない部分もありますが。)
しかし、現代はいつでもどこでも好きな食材が好きなだけ手に入ります。
狩猟採集民は栄養価の高い食材が手に入ることもあれば、収穫が極端に少ないこともあります。そう考えるとそんなには変わらないかもしれません。
要は何を食べるかでしょう。
現代の食事は糖質をたくさん食べ過ぎることによって、他の重要な栄養素が少なくなっているのです。
糖質制限をすれば十分な栄養が得られます。
人間の体は入ってきた栄養素を吸収や排せつなどにより量をコントロールしています。
サプリを飲んだ後にその成分が大量に尿に捨てられていることを考えれば、そんなに必要ないのは明白なことです。必要であればわざわざ捨てないでしょ。
サプリを使ったとしても、一時的、限定的にした方が良いでしょう。
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