INFORMATION TITLE【坐骨神経痛にリリカは効かない⁉ あなたはどうですか⁉】

痛みがあれば神経障害があるのではと考え、やたら多くの患者さんに処方されています。

今回、リリカの坐骨神経痛に対しての効果について書きます。

坐骨神経は第4、5腰椎神経根、第1~3仙椎神経根から構成されています。
(神経根というのは脊髄から枝分かれした神経の根元の部分で、背骨から顔を出すところの部分をいいます。)

坐骨神経痛はその坐骨神経がどこかで圧迫されることにより起きることが多いとされているのですが、多くはその神経根の部分で圧迫されていることが多いのです。

そしてその原因で最も多いのが椎間板ヘルニアだと言われています。

そうすると、圧迫によって神経が障害されているので、リリカは効果があるのでは?
と考えるのも無理はありません。

神経障害性疼痛の第1選択薬でもありますから。

恐らく非常に多くの坐骨神経痛に対して処方されているのではと思います。

なかさこ整骨院に来院される患者さん達に、医師と相談して投薬を中止してもほとんど症状の変化はありません。それにもかかわらず非常に長期に渡り飲んでいる人も多いのです。

リリカの副作用は様々です。

もっとも多いのは眠気、ふらつき、めまいです。

車を運転する人が飲むべきではないと思っていますし、厚労省もそのようなお達しを出しています。

高齢者の方では転倒に結びつく可能性があるので、余計に注意が必要です。

私の患者さんでは数カ月リリカを飲んでいたのですが、ある日突然起き上がれなくなって、病院に運ばれた方もいらっしゃいます。

それ以外ではむくみや体重増加を認めることが多いです。
かなり体重が増える場合もあるので、非常に問題です。

体重が増せば足腰に負担が増える可能性もありますから。

そして、なぜ体重増加が起こるのかよくわかりません。
私は全身のむくみ、つまり水分をため込んでいるのではと考えています。

さらに、複視といって、ものが2重に見えるという副作用を認めることがあります。

このような副作用がありながら、残念ながら切れ味抜群とは言えません。

もちろん顕著な効果がある方もいらっしゃるのも事実ですが、大して効果がないのに続けるような薬ではありません。

プラセボと比較した坐骨神経に対する効果を調べた研究では、リリカは全くプラセボと差がありませんでした。しかもめまいなどの副作用は明らかに高かったのです。

リリカを飲んでいてもプラセボ効果でやや改善したのか、それともただの自然経過で改善したのか、そのどちらかまたは両方である可能性が非常に高いのです。

副作用を我慢してまで坐骨神経痛に対して飲む薬ではありません。

では最初に原因として椎間板ヘルニアが最も多いということを書きました。

MRIの検査をすれば、一目瞭然で素人の患者さんでもわかるようにヘルニアが出ていて、
何となく圧迫しているように見えます。

しかし、圧迫しているから坐骨神経痛になる、とも言えません。

ただ『ヘルニアで圧迫されているから痛いんだよ』と言われればほとんどの患者さんは納得されると思います。

しかし、神経が圧迫されると痛いのでしょうか?

恐らくしびれはあると思いますが、痛みとは違うような気がします。

夜寝ていて朝起きたときに腕がしびれていることがある方もいると思いますが、あれが神経の圧迫です。

私は炎症が起きて初めて坐骨神経痛が起こると考えています。

そしてやはり、炎症を起こすのは高血糖や高インスリン血症、肥満などが最も考えられます。

高血糖や肥満では👇

脂肪が神経の周りに多くなり
また神経がむくみやすくなり
圧迫されやすくなります。

そして慢性の炎症が全身に認められるので、神経も炎症を起こしやすくなります。

そして、痛みが出ると考えています。

だから、本当に良くなりたければ食事を変えるべきです。

糖質制限をして、慢性炎症が起こりにくくなり、
しかも体重も減るので根本的な解決になります。

そろそろ、対症療法にしかならない薬はやめませんか?

「Trial of Pregabalin for Acute and Chronic Sciatica」

「急性および慢性坐骨神経痛に対するプレガバリン(リリカ)の試行」

<背景>
坐骨神経痛が無効になり、薬物治療に関する証拠は限られている。プレガバリンは、いくつかのタイプの神経障害性疼痛の治療に有効である。この研究は、プレガバリンが坐骨神経痛の強度を低下させるかどうかを調べた。

<方法>
坐骨神経痛患者のプレガバリンの無作為化二重盲検プラセボ対照試験を実施した。患者は無作為にプレガバリンを1日150mgの用量で投与し、最大用量を1日600mgに調整したか、またはプラセボと8週間までマッチさせた。主なアウトカムは8週目に10点スケール(0は痛みを示さず、10は最悪の痛みを示す)での脚の痛み強度スコアであった。脚の痛みの強さのスコアは、第52週にも評価され、主要な結果の第2の時点とした。副次的アウトカムには、障害の程度、背部痛の強さ、および1年間のあらかじめ特定された時点での生活の質の尺度が含まれていた。

<結果>
合計209人の患者が無作為化を受け、うち108人がプレガバリンを受け、101人がプラセボを受けた。無作為化後、プレガバリン群の2人の患者が不適格であると判定され、分析から除外された。第8週では、調整前の脚の痛み強度スコアはプレガバリン群で3.7、プラセボ群では3.1であった。52週目で、調整前の脚の痛み強度スコアは、プレガバリン群で3.4、プラセボ群で3.0であった。第8週または第52週のいずれの二次転帰に関しても群間の有意差は観察されなかった。プレガバリン群およびプラセボ群で合計227の有害事象が報告された。

<結論>
プレガバリンによる治療は、坐骨神経痛に伴う脚の痛みの強度を有意に低下させず、プラセボと比較して8週間にわたって他の転帰を有意に改善しなかった。有害事象の発生率はプレガバリン群でプラセボ群より有意に高かった。
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